<運送人の責任とは?>

荷主が貨物保険に加入していた場合に貨物に損害が発生したら、保険会社により貨物に対する保険金が支払われます。

その場合に運送人は、商業過失(B/Lに記載されている責任)に対して、賠償責任が発生しますので、保険会社より代位求償(荷主の代わりに損害賠償請求)がなされます。

もちろん荷主が貨物海上保険に加入していない場合も、荷主に対しての賠償責任を負います。運送人の責任として、1梱包当たりSDR666.67 または、1Kg当たりSDR2のどちらか高いほうが適用となります。

簡単に言いますと、梱包が小さく、単価が高価な貨物ですと、コンテナ当たりの貨物の梱包数が多いため、インボイス価額が非常に高額になります。

<どのような賠償責任が発生するのか!?>

●混載業者の場合
自社混載業者については、Master B/L上の責任範囲がCY to CYになりますので、保税倉庫まで(から)の横持ち、バンニング・デバンニング作業中及び最終倉庫までの危険に責任が発生します。

付帯作業が多いので、Non-Deliveryや、積付不良による貨物損害等のリスクも高まります。
また、パッケージ・リミテーションの適用方法の違いから、運送人(NVOCC)と実際運送人(船会社)の間で任責額に差が生じる場合が発生しています。
具体的に複数の荷主から個品で受託した貨物をコンテナに混載し、CYカーゴとして実際運送人に引渡す、いわゆる混載業務が複合輸送の主たる業務です。 この場合、複合運送人は受託した貨物1個毎にヘーグルールのパッケージ・リミテーション(本邦の国際海上物品運送法の場合は10万円)までの責任を負うことになるため、たとえば100個の貨物を1コンテナに混載すると、その任責額は最大1,000万円にもなります。
一方、複合運送人とコンテナ単位で運送契約を結んだ実際運送人たる船会社は、B/L上コンテナ1本単位にパッケージ・リミテーションを適用する旨定めているのが一般的であり、両者の任責額の差は相当大きくなる可能性があります。

●FCL輸送業者の場合
CYまで(から)のドレー及び最終倉庫までの危険を担保で来ます。1B/L当たりの輸送量が多くなるため、一事故補償限度額と年間補償限度額を高額に設定する必要があるでしょう。

但し、事故の発生場所が不明である損害-所謂コンシールド・ダメージのコンテナ貨物の場合、Bag Torn, Breakage等の損害は、損害発生時期の立証が難しく、事故の発生場所が不明となり、実際運送人に対する再求償が困難であり、運送人(NVOCC)の任責額がそのまま損害となる可能性が高くなります。