輸出貨物の作業完成後(輸送開始後)の危険を考える

1.フォワーダーの立場

(1)混載貨物

 ① 詰合せ不具合による化学反応によりコンテナが破裂した。

 ② 詰合せ不具合による他貨物への損害が発生した。

 ③ 詰合せ不具合による輸送中の揺れで詰合せ貨物の瓶飲料が破損し、他貨物に漏出した。
    仕向地CFSで荷受人が仕分け検品を行い、費用に対する賠償請求を受けた。   等

(2) CY貨物(Forwarder’s Pack)

 ④ コンテナの積み付けとラッシングに不備があり、海上輸送中にコンテナが落下、流失した。

 ⑤ 積み付け方法の不備により、揚げ港において積み卸し作業中に貨物が倒壊し、従事中のステベドアがその下敷きとなり死亡した。

 ⑥ 貨物の積込みが不適切に偏っており、陸上輸送中の揺れに伴いコンテナが傾きだし、横転した。

 ⑦ 中古自動車の燃料が完全に抜かれておらず、海上輸送中にコンテナが爆発した。   等

(3)上記共通

 ⑧ 輸出梱包の不備により、クレートの解体中に、受荷主の従業員が負傷した。

 ⑨ 委託梱包業者による梱包が不適切だったため、貨物が輸送途上において損傷を被り、受荷主に対し賠償をした。(貨物保険では不適切な梱包は免責)

(4)在来船・RO-RO船

 ⑩ 大型機械の船内積み付け時の不備で、船の揺れで機械が移動し船倉を突き破った。

 ⑪ ラッシングが不十分だったため、Ro-Ro船内の特殊車両が移動し、多くの車両も巻き込んで大破した。

 ⑫ ばら積み貨物の積込みが不適切に偏っており、海上輸送中の揺れに伴い船が傾きだし、沈没した。  等

(5)タンクコンテナ

 ⑬ 積み付け位置の誤りから、液体貨物が高温となりコンテナが破裂した。

 ⑭ タンクコンテナの栓の不具合から、陸上輸送中の揺れに伴いコンテナから液体が漏れ、作業場に汚損損害が発生し 賠償請求を受けた。 等

投稿者プロフィール

Kirk K. Motomura
Kirk K. Motomura
1980年代にVOCC・NVOCC業界に参入して、Sea & Truckの複合一貫輸送のシステムを構築した経験より、国際輸送における穴を埋めるリスクマネジメントに傾注。