【B/Lとは】

B/Lは流通性のある有価証券で、所持人は正当な裏書のあるオリジナル1部をもって、荷受地で船会社より貨物引渡しの請求権を持っています。

元地回収の場合は、オリジナル全通の引渡が必要です。

 

【主な種類と区分】
主な種類と区分

 

【概 要】

①船積みの状態による区分

(①-1)
船積船荷証券(Shipped B/L)
本船に船積された旨の記載があるB/Lで、在来船利用の場合に使用されます。

(①-2)
受取船荷証券(Received B/L)
本船に積込むために貨物を受取った旨の記載があるB/Lで、本船に積込まれた場合は、 “on board notation”をするため船積の日付とサインがしてあり、コンテナ船利用の場合に使用されます。

※信用状統一規則UCP600 第20条a-iiにより、Shipped B/Lを船荷証券として受理するとありますので、“on board notation”は必須となります。
②運送契約による区分

(②-1)定期船船荷証券Liner B/L
定期船(Liner)による個品運送契約に基いて発行されるB/Lです。

(②-2)傭船契約船荷証券Charter Party
不定期船(Tramper)による傭船契約に基いて発行されるB/Lです。
③貨物の状態による区分

(③-1) Clean B/L(無故障船荷証券)
リマークが入っていないB/Lです。

(③-2)Foul B/L(故障付船荷証券)
運送人が荷物を受取った時に貨物に損害(外観上、不備など)や数量過不足等がある場合にB/L上にその旨が記載(リマーク)されているB/Lです。
※実務的には、シッパーからの補償状を受け取りClean B/Lを発行しているケースもあります。補償状の有効性については、疑問です。
④荷受人欄による区分

(④-1) 記名式船荷証券(Straight B/L)
荷受人欄に特定の名称が記載されているB/Lです。
※荷受欄には、銀行名であったり、輸入者名が記載されています。

(④-2) 指図式船荷証券(Order B/L)
荷受人欄に”to Order” “to Order of Shipper” と記載されているB/Lです。
Shipperの裏書により貨物の所有権が移転します。
※1通のオリジナルB/Lをクーリエ等で輸入者宛に直送するケースも見受けられますが、荷為替を組まれている場合は注意が必要です。
⑤運送区間による区分

(⑤-1)
直航船荷証券(Direct B/L)
仕出港から仕向港まで、積替え等がなく同一本船により運送される場合に発行されるB/Lです。

(⑤-2)
通し船荷証券(Through B/L)
仕出地(港)から仕向地(港)まで、複数の運送人により運送される場合に 最初の運送人により全経路を通して発行されるB/Lです。
※複数の運送人により運送される場合に発行される船荷証券は、複合運送船荷証券(Combined Transport B/L, Multimodal Transport B/L, Intermodal Transport B/L等があります。)とも呼ばれます。また、港間(Port to Port)の輸送にも利用されています。
⑥運送人による区分

(⑥-1)
Master B/L(Carrier’s B/L)
NVOCC経由で貨物を輸送する場合に、実運送人がNVOCCに対して発行する船荷証券を指します。

(⑥-2)
House B/L(Forwarder’s B/L)
NVOCCが荷主に対して発行する船荷証券を指します。

※Master B/L とHouse B/Lのフロー
Master B/L とHouse B/Lのフロー
⑦譲渡の可否による区分

(⑦-1)
流通可能船荷証券(Negotiable B/L)
一般的な船荷証券で、裏書による権利の譲渡や呈示により、引換えに貨物の引渡を受けることができます。

(⑦-2)
流通不可能船荷証券(Non Negotiable B/L)
Sea waybill、 Air waybill等の運送受取書や裏書による権利の譲渡や呈示により、引換えに貨物の引渡を受けることができます。
⑧裏面約款欄による区分

(⑧-1)
ロングフォーム船荷証券(Regular Form B/L)
裏面に運送約款の記載があるB/Lです。

(⑧-2)
略式船荷証券(Short Form B/L)
裏面に運送約款の一部のみ記載があるB/Lです。
※信用状統一規則UCP600 第20条a-Vにより、運送約款の出所を明記していることが受理の条件となっています。
⑨その他の証書

(⑨-1)
航空貨物運送状(Air Waybill)
航空会社及びフォワーダーにより発行される貨物受取書で、有価証券ではありません。
また、上記⑥に記載した通り、航空会社が発行するものをMaster AWBといい、フォワーダーが発行するものをHosue AWBと呼びます。

(⑨-2)
(海上)貨物運送状((Sea)Waybill)
こちらの特徴は、有価証券ではなく、流通不可能 (Non Negotiable)で、略式 (Short Form)となり、原本がなくても貨物を受取れます。