通常B/L dateは、船荷証券の発行日です。これにon Boardの日付を付記します。

 

B/LのBack Dateとは、積込み本船が入港する前の日付にて船荷証券を発行することです。

on boardを行う前の日付を有価証券に記載する事になる為、国際海上物品法では「不実記載」、刑法(162条2項)では「有価証券虚偽記入罪」に問われます。

たとえ依頼された輸出者からL/Gを徴収しても事故などが起こった場合に第三者に対して対抗できません。

 

貨物海上保険の場合も事故が起きた場合にOcean B/L及びHouse B/L等船積書類一式を保険会社に提出し、事故を時系列的に追っていき処理をいたします。

被保険者の依頼により実際の船積日との差異が判明(通常、保険証券はHouse B/Lのon Board日に準じて発行される)した場合は、上記違法行為ですので、公序良俗に対する損害は保険において免責となります。

 

L/C取引においてその多くが散見されますが、D/A(Documents against Acceptance )条件で契約している場合、輸入者の決済日が実際より前になる訳ですから、輸入者が短縮された日付(B/L Back date)が原因で銀行決済が出来ずに債務不履行を起こした場合に、輸入者はB/L Back Dateの事実を知れば(立証すれば)、輸出者及び当該NVOCCに対して損害賠償請求が可能となります。

 

グローバルスタンダードのコンプライアンスが厳しいこの時代でも 法的理解をされていない貿易会社やそれを引受けるフォーワーダーが存在するのは極めて危険なことです。事故が起きると国際間の訴訟に繋がり企業経営を揺るがす問題になる可能性を秘めています。

 

売買契約に関わることですので、輸出入者の当事者間で、L/Cのアメンドをしていただくか、輸出者においてL/G買取りをお勧めします。

 

【外部リンク:有価証券虚偽記入罪