1.貨物搬入確認とD/O交換
<貨物搬入について>
本船着岸後にFCL貨物の場合は、コンテナヤードに貨物が輸送され、Boat Note(Manifest:積荷目録)、コンテナリストを税関に提出します。
LCL貨物の場合は、CFSに貨物が輸送され、デバンされた時点でDevanning Report(Landing Report)を税関に提出します。
この一連の作業を「搬入確認」と言います。輸入申告は、搬入確認後しかできません。
通常、CY搬入から2~3日後にCFSの搬入確認が取れます。
NVOCCの混載業者の場合は、船会社からCY貨物として引取り、自社のCFSまで保税運送(O.L.T)を行いDevanningをしますので、船社のCFSより早く搬入確認が取れ、輸入申告を行えます。
貨物の損害の有無は、FCLの場合Boat NoteやEquipment Receipt、LCLの場合に Devanning ReportやDelivery Recordでリマークが付されます。
<Arrival Noticeについて>
通常、船社(またはNVO)または船社代理店(またはDelivery Agent)からB/LのNotify Party宛に発行されます。
入港予定日、貨物の搬入場所、船賃等の諸チャージ等が記載されています。
通関会社等(海貨業者)に依頼してD/Oの切替を行ってもらうのが一般的です。
<D/O発行について>
船賃等の諸チャージを支払いB/Lを呈示します。これによりD/Oが発行されますが、最近はD/Oの発行を省略しているケースも増えています。
BLの呈示は全3通の内オリジナル1枚ですので、裏書の確認(権利者の裏書)及び所持人の裏書が必要です。
BLオリジナルが銀行経由で未着の場合は、銀行と荷受人による連体保証状(Bank L/G)を船社(NVO)に差入れてD/Oを発行してもらいます。
Bank L/G発行は銀行による与信行為ですので、保証料として金利が掛かります。
<Single L/Gについて>
輸入者のみの単独保証状により貨物を引取ることを言います。基本的に船会社(NVO)はこれを拒否しますが、一部に特定の荷主の特定貨物に対して単発的に引受けている場合もあります。
<Single L/G引渡しによる運送人のリスク>
2.CYからのコンテナまたはCFSからの貨物引取り
通常、フリータイム期間があり、この間に貨物を引取れば保管料は掛かりません。また、空コンテナの返却も同様です。
各船社により決められています。それぞれ期間を超過いたしますと、DemurrageとDetention Chargeが請求されます。
<フリータイムについて>
コンテナ本数によっては2週間近くのフリータイムを設けている船社もあります。しかし、その後一定期間毎に保管料が上がっていきます。
長期保管については、懲罰的な理由もあり高額な費用が請求されます。
荷主によっては有効活用をしており、引取先の倉庫の状態等の問題で貨物の通関後CYで保管をしていたり、特恵関税の適用のため年度末にこの仕組みを活用して通関の準備を行っている会社もあります。
注意すべき点は、通常の輸送過程以外の保管のための保管(輸入者の指示等による保管)は、通関の有無にかかわらず、その時点での貨物海上保険の終期を意味します。