サーベイヤー(鑑定人)とは、貨物が損害を受けた場合に 損害の原因究明や貨物の処分の算定等をする専門知識を有する第三者機関となります。

通常、事故が発生した場合に荷主がサーベイヤーに依頼して、損害の発生原因や時期、場所等を特定し、貨物の損害額を調査してもらいサーベイレポートを取得します。

この書面により運送人に対しての損害賠償請求や加入している保険会社に対しての保険金求償を行います。

この場合のサーベイを貨物損害検査(Cargo Damage Survey)と言います。

荷主が外航貨物海上保険に加入している場合は、実務的に保険会社が被保険者に代行してサーベイヤーを手配してくれることもあります。

依頼主は荷主ですので、サーベイフィ(検査料金)は荷主負担となります。損害が貨物海上保険で補償される場合につき、サーベイフィも保険金に加えて支払われます。

 

 

主なサーベイの種類

貨物損害検査(Cargo Damage Survey)

貨物に損害または不具合が見つかった場合、その原因や損害額などを鑑定し、第三者による貨物損害検査報告書(サーベイリポート:Survey Report)を以って運送人等第三者に損害を立証します。このために行われる調査が貨物損害検査です。

 

貨物現状検査(Condition Survey)

出荷時あるいは指定された時点での貨物・梱包の現状を確認し、その結果を書面による報告が貨物現状検査です。

出荷直前の貨物の状態(梱包状態)を検査することにより、適切な状態で出荷したことを関係者に通知、立証できます。

 

喫水検査(Draft Survey)

船舶による輸送において、撒積貨物の取り引き数量の決定は、船舶の喫水検査によるのが一般的な方法です。

船舶への貨物の積揚げ前後の船舶の喫水(浮き沈み)変化を利用し、船舶備付けの諸表により貨物の重量を算出するものです。

 

倉口検査(Hatch Survey)

船舶が目的港で揚荷するに際し、船倉内の貨物の状態を確認し、万一貨物に損害が発見された場合の関係者への通知及び損害貨物の処置につき適切かつ迅速な対応を助言し、またその状態及び原因究明の為に調査、記録を行う検査を倉口検査といいます

 

積付検査(Stowage Survey)

貨物(プラント・重量物・特殊機械等)の安全輸送及び経済性・能率向上の為の検査貨物の安全輸送のため、輸送環境(輸送手段、輸送経路、輸送時期等)を考慮し、適切な積み付け方法を助言、確認を行います。

 

ロスプリベンション・サーベイ(LOSS PREVENTION SURVEY)

輸送する貨物や物流形態に潜在する貨物事故要因を鑑定し、物流に於ける貨物事故を事前、未然に防止、軽減をするための検査です。

 

<ロスプリの効果>

・損失の未然防止
・貨物事故再発防止
・作業品質の向上
・商売の安定
・クレーム対応業務の削減
・保険料率の適正維持
・荷主に対する信頼

 

【外部リンク : 海事鑑定 日本海事検定協会 】